フィルタの書式 のバックアップの現在との差分(No.1)


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**AviSynthのマニュアル [#b5a3942a]
//AviSynthの内蔵フィルタのマニュアルは、たいていの場合、以下のような順番で書かれています。
//
// 書式
// 
// 説明
// 
// 使用例(ない場合もある)
//
//まず、フィルタ(関数)の書式(フォーマット)、そして、そのフィルタの説明、最後にフィルタの使用例があります。書式とは、フィルタフィルタによっては、使用例がない場合もあります。
//
//たとえば、MessageClipフィルタのマニュアル((http://www.avisynth.org/MessageClipから転載。))を見てみると、次のように書かれています。
//
// MessageClip(string message, int width, int height, int shrink, int text_color, int halo_color, int bg_color)
// 
// MessageClip produces a clip containing a text message; used internally for error reporting. Arial font is used, size between 24 points and 9 points chosen to fit, if possible, in the width by height clip.
// 
// If shrink is true, the clip resolution is then reduced, if necessary, to fit the text.
//
//1行目のMessageClip(string message, ...)までが、MessageClipフィルタの書式です。それ以降は、同フィルタの説明です。MessageClipフィルタの場合、使用例はありません。
//
**フィルタの書式 [#ccbc90c4]
// フィルタ名(引数リスト)
#contents

// 引数型 引数名
//      ↑
// (半角スペース)
*フィルタの書式 [#ccbc90c4]

// フィルタ名(引数型1 引数名1, 引数型2 引数名2, 引数型3 引数名3, ...)
フィルタの書式は、
 フィルタ名(引数リスト)
という形で表されます。

//引数が複数ある場合は、コンマ区切りで、つづけて書きます。引数の数は、フィルタによって異なります。
 MessageClip(string message, int width, int height, bool shrink, int text_color, int halo_color, int bg_color)

// MessageClip(string message, int width, int height, int shrink, int text_color, int halo_color, int bg_color)
これはMessageClipフィルタの書式です。

※作成中
この場合、MessageClipがフィルタ名、括弧の中に書かれているのが引数リストということになります。

**引数リストについて [#a97d5c48]

 引数型 引数名
引数リストは、[[引数型]]と引数名が、対の形で記述されます。((例外的に、clip型の引数clipがある場合に、一方を省略して、単にclipと書かれていることもあります。))[[引数型]]は、その[[引数]]がどのようなタイプのものであるかを示すものであり、引数名はその[[引数]]の名前を表します([[引数型]]については「[[引数型]]」のページを参照)。

 string message
MessageClipの1つ目の[[引数]]の場合、stringが[[引数]]の型で、messageが[[引数]]の名前です。言い換えると、1つ目の[[引数]]は、messageという名前で、その[[引数型]]はstring型である、ということになります。

 フィルタ名(引数型1 引数名1, 引数型2 引数名2, 引数型3 引数名3, ...)

[[引数]]が複数ある場合は、コンマ区切りで、右へつづけて書きます。[[引数]]の数は、フィルタによって異なります。

つまり、MessageClipフィルタの場合、message、width、height、shrink、text_color、halo_color、bg_colorという7つの[[引数]]があり、[[引数]]messageはstring型、[[引数]]shrinkはbool型で、それ以外の[[引数]]はint型であるというわけです。

*フィルタの記述例 [#sfef351e]
実際にフィルタを記述する方法を紹介します。ここでは例として、MessageClipフィルタを使い、「Hello World!」というメッセージつきのビデオクリップを作成します。

**すべての引数を指定する [#i56f9213]

 MessageClip("Hello World!", 240, 135, true, $0000ff, $ff0000, $00ff00)
書式通りに、すべての[[引数]]を指定した場合の例です。

次の点に注意してください。

-1つ目のmessageはstring型であるため、二重引用符で囲んでいます。
-widthとheightはint型なので、整数で指定しています。
-4つ目の引数shrinkはbool型なので、trueまたはfalseのいずれかを指定します。
-残りの3つの引数は、widthやheightと同様のint型です。ここでは色指定しやすいように、HTMLのカラーコードなどで使われる16進数で指定しています((参考: ColorPresets))。

&ref(hello007_bg_color.png);~
上のスクリプトをプレビューすると、このような画像が表示されます。

**引数を省略する [#g2fbd023]

 MessageClip("Hello World!")
message以降の[[引数]]は省略されています。[[引数]]が省略された場合は、デフォルト値が適用されます((フィルタにデフォルト値が設定されていない場合は、省略することができません。))。~
~
&ref(hello001_hello_world.png);~
そのため、上のスクリプトをプレビューすると、このような画像が表示されます。

 MessageClip("Hello World!", 240, 135)

widthとheightまで指定しました。

&ref(hello002_size_specified.png);~
すると、widthとheightには指定した値が適用され、text_color以降の[[引数]]にはデフォルト値が適用されます。

ただし、このように、ある[[引数]]以降をすべて省略する場合はいいのですが、単純に[[引数]]を省略できない場合もあります([[下記>#s505fa79]]参照)。

**名前付き引数で指定する [#s505fa79]

たとえば、あなたが、width、height、shrinkの3つの[[引数]]を省略したいと考えたとします。そのとき、次のように記述したとしたら、どうなるでしょうか。

 MessageClip("Hello World!", $0000ff, $ff0000, $00ff00)

width、height、shrinkの部分を、そのまま削除して、text_color以降を左にずらしたものです。実は、これをプレビューしようとすると、以下のようなエラーが発生します。

&ref(hello008_invalid_argument.png);~

 Script error: Invalid arguments to function "MessageClip"(スクリプトエラー: 関数"MessageClip"に不正な引数)

これは、[[引数]]の指定の仕方が誤っている場合に発生するエラーです(「[[エラーのタイプ]]」を参照)。この場合、4つ目の[[引数]]は、本来、bool型であるべきにもかかわらず、int型の$00ff00が渡されていることが原因です。

このような省略の仕方をしたい場合は、名前付き引数を使います。名前付き引数を使えば、自由な順番で、[[引数]]を指定することができるようになります。

名前付き引数は、

 引数名 = 値

という形で指定します。

 MessageClip("Hello World!", text_color=$0000ff, halo_color=$ff0000, bg_color=$00ff00)

さきほどのスクリプトを名前付き[[引数]]を使って書き換えると、このようになります。

&ref(hello009_argument_specified.png);~
プレビューすると、このような画像が表示されます。省略された[[引数]]には、デフォルト値が適用されています。