AviUtlフィルタプラグインを利用する のバックアップ差分(No.6)


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#contents

* 概要 [#ibe89819]

このページでは、AviUtl用のフィルタプラグイン(拡張子 .auf)を、AviSynthで利用するための方法を紹介します。

[[warpsharpプラグイン(warpsharp.dll)>warpsharpパッケージ]]に内蔵されているLoadAviUtlFilterPluginフィルタを使用することにより、多くのAviUtlフィルタプラグイン(以下、AUFと表記)を、AviSynthでも利用できるようになります。

ただし、この方法によって、すべてのAviUtlフィルタプラグインが利用できるようになるわけではありません。また、AviUtlに内蔵されているフィルタは利用できません。

* 用意するもの [#c91ec10f]

以下の2つを用意してください。

-[[warpsharpプラグイン(warpsharp.dll)>warpsharpパッケージ]]
--LoadAviUtlFilterPluginフィルタが収録されています。
-[[ShowAUFInfo.exe]]
--AUFをAviSynthで利用する際に必要な情報(Info)を表示/出力するためのコマンドラインツールです。

どちらも[[warpsharpパッケージ]]に同梱されています。入手先については、[[warpsharpパッケージ]]を参照。

* 手順 [#la40dc3d]

以下の説明は、AUFをAviSynthで利用するための手順の一例です。

** 1.AUF用の定義ファイル(aufilters.avs)の作成 [#bf43179f]

[[ShowAUFInfo.exe]]を使って、AUF用の定義ファイルを作成します。使用したいAUFの数だけ[[ShowAUFInfo.exe]]を実行してください。

出力されたaufilters.avsには、AUFを利用するための関数(以降、AU関数と表記)が含まれています。以後、AviSynthにおいてAUFを利用する際には、この関数を呼び出します。

なお、定義ファイルの名前は自由に付けることができますが、ここではaufilters.avsという名前にしたものとします。

*** ShowAUFInfo.exeの使い方 [#j0327c1e]

[[ShowAUFInfo.exe]]の使い方については、[[ShowAUFInfo.exe]]のページを参照。コマンドラインツールの使い方がわからない場合は、[[ShowAUFInfo実行支援バッチスクリプト]]を試してみてください。

** 2.aufilters.avsの修正 [#w7daa77c]

aufilters.avs(ShowAUFInfoによって出力される情報)には、AU関数以外に、LoadAviUtlFilterPluginのための変数とAUFのパスを指定するための変数(いずれもglobal変数)が含まれています。

aufilters.avsをメモ帳で開いて、これら3つのglobal変数の設定を、必要に応じて変更します。

*** 3つのglobal変数の意味 [#md931ae4]

#ref(aufilters_global_variables.png)

aufilters.avsの最初の3行目には、図のように3つのglobal変数が含まれています。これらの変数によって指定される内容は、以下の通りです。

-AviUtl_plugin_directory: 
--AviUtlのプラグインディレクトリの指定
-AviUtl_plugin_copy: 
--LoadAviUtlFilterPluginのcopyパラメータ用の変数
-AviUtl_plugin_debug: 
--LoadAviUtlFilterPluginのdebugパラメータ用の変数

通常、AviUtl_plugin_copyとAviUtl_plugin_debugはデフォルト(false)のままで問題ありませんが、1つめのAviUtl_plugin_directoryは環境にあわせて設定し直す必要があります。

なお、これらのglobal変数はShowAUFInfo.exeの実行ごとに出力されますが、aufilters.avsの中において必要なのは1組のみです。複数の同じ変数が含まれていると、エラー発生の原因になりかねませんので、注意してください。

** 3.スクリプトの挿入 [#of0b16b8]

#ref(aufilters_auf_function.png)

これは、[[将:http://latch-up.hp.infoseek.co.jp/]]さん作の[[ノイズ付加フィルタ:http://latch-up.hp.infoseek.co.jp/]](addnoise.auf)に対して、ShowAUFInfo.exeを実行した結果です。[[global変数>#md931ae4]]の部分は省略してあります((詳しくは、[[ShowAUFInfo.exe]]の[[実行例: ノイズ付加フィルタ(addnoise.auf)の場合>ShowAUFInfo.exe#kd66f51f]]を参照。))。

これを利用するためには、この中からexampleより下の3行(図の使用例の部分)をコピーして、メインのスクリプトのAUFを使用したい行に貼り付けます。そして、行頭の#記号を削除します((#が付いたままだと、コメント扱いになり、フィルタが有効になりません。))。

たとえば、以下のようなスクリプトを作成する必要があります。

#code(){{
# warpsharpプラグインの読み込み
LoadPlugin("C:\foo\warpsharp.dll") # オートローディング使用時は不要

# aufilters.avsのインポート
Import("C:\avs\aufilters.avs")

# クリップがYUY2では”ない”場合、YUY2に変換
ConvertToYUY2() # 必要に応じて

# AU関数の実行
## AviUtlのYC空間に変換
ConvertYUY2ToAviUtlYC() # または、ConvertYUY2ToAviUtlYCFix()
## AU関数
AU_addnoise(128,1)
## YUY2に再変換
ConvertAviUtlYCToYUY2() # または、ConvertAviUtlYCToYUY2Fix()
}}

*** スクリプト例の解説 [#aee1ee91]

#code(){{
# warpsharpプラグインの読み込み
LoadPlugin("C:\foo\warpsharp.dll") # オートローディング使用時は不要
}}

LoadPluginフィルタを使って、warpsharpプラグインの読み込みを行います。すでに読み込んでいる場合やプラグインのオートローディングを利用している場合は不要です。

#code{{
# aufilters.avsのインポート
Import("C:\avs\aufilters.avs")
}}

aufilters.avsをインポートします。

#code{{
# クリップがYUY2では”ない”場合、YUY2に変換
ConvertToYUY2() # 必要に応じて
}}

ビデオクリップがYUY2では'''ない'''なら、前もってYUY2に変換する必要があります。すでにYUY2の場合、この行は必要ありません。

#code{{
# AU関数の実行
## AviUtlのYC空間に変換
ConvertYUY2ToAviUtlYC() # または、ConvertYUY2ToAviUtlYCFix()
## AU関数
AU_addnoise(128,1)
## YUY2に再変換
ConvertAviUtlYCToYUY2() # または、ConvertAviUtlYCToYUY2Fix()
}}

AU関数は、その前後をConvertYUY2ToAviUtlYCとConvertAviUtlYCToYUY2(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFixとConvertAviUtlYCToYUY2Fix)で挟む形で使用しなければなりません(下記の[[使用上の注意>#w169a6d9]]も参照)。

ConvertYUY2ToAviUtlYC(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFix)は、AviSynthでもAUFを利用できるように、AviUtl内部と同じ(もしくは、それに近い)色空間に変換するためのフィルタです。一方、ConvertAviUtlYCToYUY2(またはConvertAviUtlYCToYUY2Fix)は、これをYUY2に再変換するためのフィルタです。

ConvertYUY2ToAviUtlYCとConvertAviUtlYCToYUY2は、warpsharpプラグインに内蔵されています。一方、ConvertYUY2ToAviUtlYCFixとConvertAviUtlYCToYUY2Fixは、MakKi氏作の修正版です(入手先などについては、[[色]]の[[Convert AviUtlYC Fix>#r69b3a70]]を参照)。
ConvertYUY2ToAviUtlYCとConvertAviUtlYCToYUY2は、warpsharpプラグインに内蔵されています。一方、ConvertYUY2ToAviUtlYCFixとConvertAviUtlYCToYUY2Fixは、MakKi氏作の修正版です(入手先などについては、[[色]]の[[Convert AviUtlYC Fix>色#r69b3a70]]を参照)。

*** 実行例(スクリーンショット) [#ld3d08b9]

上記のスクリプト例を実行したところです。

-フィルタ適用前
#ref(aufilters_before_filtering.png)
-フィルタ適用後
#ref(aufilters_after_filtering.png)

* AU関数のパラメータ調整方法 [#p4e060de]

あじ氏作の「フィルタ設定 エクスポートプラグイン」(AviSynth Script エクスポートに収録)を利用すれば、AviUtl上で行ったAUFの設定情報を、AU関数の形式で出力することができます。

詳しくは、[[AviSynth Script エクスポート]]と[[フィルタ設定 エクスポートプラグインの使い方]]を参照。

* 使用上の注意 [#w169a6d9]

必ず、AU関数を、ConvertYUY2ToAviUtlYCとConvertAviUtlYCToYUY2(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFixとConvertAviUtlYCToYUY2Fix)で挟む形にしてください。もし、これらのフィルタを使わずに、AU関数のみを実行すると、フィルタが期待したようには適用されず、クリップの画が崩れてしまうおそれがあります。

-サンプル(AU関数(AU_addnoise)のみを実行したところ)((このサンプルの作成にあたっては、結果が一目でわかるように、AU_addnoiseの引数の値を大きめに設定しました。また、このサンプル画像は、オリジナル画像を縮小したものです。オリジナルの画像は[[こちら:http://www.avisynth.info/?plugin=attach&pcmd=open&file=aufilters_not_convert_preview.png&refer=AviUtl%A5%D5%A5%A3%A5%EB%A5%BF%A5%D7%A5%E9%A5%B0%A5%A4%A5%F3%A4%F2%CD%F8%CD%D1%A4%B9%A4%EB]]。))
#ref(aufilters_not_convert_preview_s.png)

逆に、ConvertYUY2ToAviUtlYCとConvertAviUtlYCToYUY2(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFixとConvertAviUtlYCToYUY2Fix)の間においては、AviSynth用の関数(フィルタ)を実行することはできません。

複数のAU関数を使用し、かつ、あいだにAU関数以外のフィルタ(関数)を使用しない場合(複数のAU関数を連続して使用する場合)は、最初のAU関数の前にConvertYUY2ToAviUtlYC(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFix)を、最後のAU関数の後にConvertAviUtlYCToYUY2(またはConvertAviUtlYCToYUY2Fix)を挿入するだけでかまいません。

-例:
#code{{
ConvertYUY2ToAviUtlYC() # または、ConvertYUY2ToAviUtlYCFix()
AU_foo() # AU関数1
AU_bar() # AU関数2
# ・
# ・
# ・
ConvertAviUtlYCToYUY2() # または、ConvertAviUtlYCToYUY2Fix
}}

ConvertYUY2ToAviUtlYC(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFix)は、YUY2専用です。つまり、AUF(AU関数)を利用するためには、ビデオクリップがYUY2でなければなりません。クリップがYUY2で'''ない'''場合は、ConvertYUY2ToAviUtlYC(またはConvertYUY2ToAviUtlYCFix)よりも前に、クリップをYUY2に変換しておく必要があります。YUY2への変換には、[[ConvertToYUY2>Convert]]フィルタを使用します。

クリップがYUY2であるかどうかの確認には、[[Info]]フィルタを使用してください([[info_modoki]]関数でも可)。