RGBAdjust
RGBAdjust (clip, float "r", float "g", float "b", float "a", float "rb", float "gb", float "bb", float "ab", float "rg", float "gg", float "bg", float "ag", bool "analyze")
このフィルタは、それぞれの色のチャンネルに与えられた値を掛け、与えられたバイアスのオフセットを追加して、最後に関連するガンマを調節します。その際、結果は、0 から 255 の範囲内に収まるようにクリッピングされます。ちなみに RGBAdjust(1, 1, 1, 1, 0, 0, 0, 0, 1, 1, 1, 1) はクリップに影響を与えません。
r (-255.0 - 255.0、デフォルト 1.0): このオプションは、赤をどれだけ伸張/圧縮するかを決定します。例えば倍率が 3 なら、各ピクセルの赤のチャンネルに 3 を掛けます。緑(g)と青(b)も、同じように動作します。
a (-255.0 - 255.0; デフォルト 1.0)は、アルファチャンネルの倍率を指定します。アルファチャンネルは、1 ピクセル単位での透過度情報を表します。0 というアルファ値は完全な透明を、255 は完全に不透明なピクセルを意味します。
v2.56 では、バイアスオフセットの rb、gb、bb、ab (デフォルト 0.0)は、赤、緑、青またはアルファの各チャンネルに値を足します。例えば、rb = 16 は赤のピクセル値に 16 を足し、rb = -32 はすべての赤のピクセル値から 32 を引きます。
v2.56 ではまた、指数の rg、gg、bg、ag (デフォルト 1.0)は、赤、緑、青またはアルファの各チャンネルのガンマを調節します。例えば、rg = 1.2 は赤のピクセル値を明るくし、gg = 0.8 は緑のピクセル値を暗くします。
v2.56 では、analyze (true または false)は、画面上に色の統計を出力します。そこには、すべてのチャンネルに関する最大値(Maximum)と最小値(Minimum)、平均値(Average)と標準偏差(Standard Deviation)、そして「緩めの最小値(Loose Minimum)」 と「緩めの最大値(Loose Maximum)」が含まれています。「緩めの」値は、不自然に低い(または高い)最小値(または最大値)を生み出す非常に明るい(または非常に暗い)ノイズの仕様を除外するために算出されたものです(要するに、すべてのピクセルのうち 256 分の 255 の赤/緑/青の値は、緩めの最小値以上、緩めの最大値以下になります)。
例えば次のようにしても、1 つの値の変更に合わせて他の全ての値が伸張/圧縮されることはない(そのためには Levels を使うべきである)、ということを心にとどめておいてください:
RGBAdjust(2, 1, 1, 1)
これは、クリッピングされた赤をたくさんもたらすでしょう。もしクリッピングされた赤を望むのなら、このようにしてください。しかし、もしクリッピングされることなしに、もっと多彩な赤を得たいなら、以下のようにします。
Levels(0, 1, 255, 0, 128).RGBAdjust(2, 1, 1, 1)
これは、すべてのレベル(と輝度の平均値)を半分に圧縮し、そして赤を 2 倍にします。さらにコンパクトにすると、次のようになります。
RGBAdjust(1.0, 0.5, 0.5, 1.0)
これは、赤をそのままに、緑と青を半分にします。
アルファチャンネルを反転するには、次のようにします。
RGBAdjust(a=-1.0, ab=255)
これで、アルファのピクセル値は、a=(255-a) になります。
更新履歴:
v2.56 | offsets、gamma、analyze を追加 |
註: このページは、AviSynth 2.5.7 に同梱されているマニュアル(英語版)の日本語訳です。原文は、AviSynth をインストールしたフォルダ内の Docs/english/corefilters/adjust.htm にあります。なお、このページのテキストおよび画像のライセンスは、オリジナルのそれに準じます。